次亜塩素酸水とは

次亜塩素酸水について

1. 除菌について

一般に食材の除菌には古くから次亜塩素酸ナトリウムが使用され器具や手指の除菌にはアルコールが使われています。一方、次亜塩素酸水による除菌は 15 年前くらいから徐々に注目を浴びています。最近では、新型インフルエンザの発生で空間除菌剤として二酸化塩素ガスが注目を浴び、オゾン水や加酢酸水溶液なども除菌水としてPRされています。

2. 次亜塩素酸水とは

次亜塩素酸(組成式:HOCl)の水溶液で除菌効果が強く除菌剤、消臭剤として利用されますが、不安定な物質で塩化水素を放出しながら徐々に分解します。また、有機物と反応するため消臭効果もあります。

図1.pH 変化による残留塩素依存比率

3. 除菌力

次亜塩素酸水(HOCL)がたんぱく質の有機物と接触すると酸化反応と塩素化反応が起こります。この酸化反応や塩素化反応により微生物のたんぱく質を酸化あるいは塩素化することにより微生物を死滅させます。一方、次亜塩素酸イオン(OCL-)も除菌力を有しますがきわめて弱く、大腸菌群によ る除菌試験では次亜塩素酸水と同等の除菌効果を得るのに 80 倍の時間がかかる結果がでています。
次亜塩素酸水は、ほとんど全ての細菌、ウイルスに除菌効果があり、有効塩素濃度 50ppm で芽胞菌を除き1分以内で除菌されます。(芽胞菌でも2分以内に除菌されます)また、次亜塩素酸水は高 温で除菌力が増すことがわかっており、40°Cでは、20°Cのほぼ 6 倍に除菌力が増します。芽胞菌で も1分以内に除菌されます。

4. 安全性について

・飲んだら危険か?

少量を飲み込んでも害はありませんが、飲料ではありません。

・発がん性は?

各種機関で安全性が確認されています。 有害物質の発生について次亜塩素酸ナトリウム水溶液は有機物と接触して発がん物質のトリハ ロメタンを発生しますが、次亜塩素酸水では発生しません。
200ppm 以上の濃度で長時間(3分以上)接触する場合にクロロホルムの発生が認められていま すので、浸し置き除菌を行なう場合は、50ppm 以下で使用してください。

・手荒れは?

普通の水と変わりません。長時間使用する場合は、ゴム手など着用してください。

・眼に入ったときは?

飛沫が入ったぐらいでは害はありません。異常を感じた場合は、よく水洗いして医者にかかってください。

・残留性は?

次亜塩素酸水は、有機物に触れると分解するので残留性はほとんどありません。生成方式により塩分を含むものは微量の塩分が残留します。

・錆について

次亜塩素酸ナトリウム水溶液に比べるとはるかに少ないのですが、金属を 100ppm 以上の濃度で除菌した場合は、水洗いしてください。

・他の洗剤・薬品との混合の危険

塩酸と混合すると塩素ガスが発生して危険です。(※1)
家庭用のものではトイレ洗浄剤のサンポールは、主成分が 9.5%塩酸です。また、家庭用の酢酸、穀物酢は混ざってもガスの発生は微量で危険はありません。

・排水について

浸し洗いのあとの排水は、そのまま排水しても問題ありません。高濃度の次亜塩素酸水を排水する場合や多量に排水する場合、一般の下水道への排水は問題ありませんが、合併浄化槽への排水はしないで下さい。

・保管時の安全性

次亜塩素酸水は不安定な物質で保管中紫外線や温度の影響で分解します。分解時には塩化水素が(塩酸ガス)が発生しますが、量はわずかで危険はありません。(※2)

 ※1. 次亜塩素酸水と塩酸の混合 HOCl + HCl → H2O + Cl2↑
 ※2. 次亜塩素酸水の分解    2HOCl → 2HCl + O2↑

5. 使用方法

① 空気中の除菌や消臭

超音波噴霧器やスプレーでウイルス感染予防に空気洗浄に部屋の消臭に

② 野菜、果物、食器、調理器具の除菌に

浸し除菌なら低濃度の次亜塩素酸水でも大きな効果があります。
スプレー除菌なら 100~200ppm の高濃度の殺菌水で手軽に除菌できます。

③ 手指の除菌、口腔ケアに

手指の除菌は、洗浄後に。口腔ケア(口臭、口内炎予防等)は、歯磨きの後のうがいが効果的です。

④ 日常の清掃に

水ぶきの際は、200ppm で床、テーブル、ドアノブ、洗面台、キッチンなどに

⑤ お風呂、洗濯機、トイレの除菌、防カビ、消臭、子供のおもちゃの除菌などあらゆる場所の除菌、消臭に使用できます。

6. 使用上の注意点

・除菌する前に汚れは洗浄しておいてください。
次亜塩素酸水は、微生物に直接触れなければ殺菌できず、また有機物と反応して消化されるため 汚れを残したまま使用しても効果は望めません。特に油汚れは殺菌水をはじくので殺菌力が弱まります。
・清掃に使う雑巾は清浄な状態で使用して下さい。汚れたまま使用すると有効成分が分解され除菌効果が低下します。
・有機物の多い場所や食材は必要に応じて濃度を高くするか流水にするなど工夫も必要です。さらに微生物に直接触れなければ殺菌できないため、浸け置き時の攪拌など微生物との接触を促すことも除菌効果をあげています。
・次亜塩素酸水は、冷暗所に保管して小分けにして使用してください。高温所や直射日光に当たると成分濃度が低下します。(密閉容器の冷暗所保管で目安は約 3 ヶ月)
・塩素系除菌剤でありますが、漂白作用は、ほぼありません。
・他の洗剤や薬品と混ぜて使用しないでください。
次亜塩素酸水の用途
■ 物流

海上コンテナの洗浄 / トロ箱用保存氷 / トラックボディの脱臭洗浄

■ 食品加工業

工場内の落下菌の除菌(噴霧による)

■ 飲食店・食品店・施設の厨房

器具、床、壁、天井等の洗浄除菌 / 食品倉庫の加湿噴霧

■ 病院・医院

器具洗浄除菌 / 院内感染の予防 (床、壁、天井等) / 器具、床、壁、天井等の洗浄除菌 / 室内の空気除菌 (噴霧による) / 落下菌の除菌(噴霧による

■ 獣医・ペットショップ

バックヤードの除菌・消臭 / 器具洗浄 / ごみ置き場の除菌・消臭 / 飼育室の噴霧除菌

■ 畜産

畜舎の洗浄・噴霧による空間除菌 / 器具の洗浄除菌

■ 老人ホーム

室内の空気除菌 (噴霧による) / 風呂の除菌

■ 農業

ハウス内の落下菌の除菌 (噴霧による) / 育苗時の除菌 / 出荷時の洗浄除菌

■ 公共施設

スポーツジム・プール / 温泉 / 飛行場 / 映画館・劇場 / インターネットカフェ・ゲームセンター

■ 漁業

水揚後の洗浄 / 解体時の除菌・消臭

その他 安全な除菌消臭が求められるところ